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せめて夢の中だけでも
第39章 一生俺のもの。
皿とコップを準備していると
お母さんが話しかけてきた。
「見た目は…軽そうだけど…
しっかりしている彼ね。
大切にされてるの?」
「…うん。凄く。
私、幸せよ。」
「彼なら…きっとお父さんも理解するわ」
ふふっと笑うと、ご飯が出来ましたよっと
秋雨に笑いかけていた。
秋雨は未だに写メを撮られていて、
いつもの間にか杏が腕に絡んでいる。
それでも…彼は…
私に向けるような笑顔で笑っている。
連日、仕事で疲れているはずなのに…
こんな家族に囲まれて、絡まれて…
それを思いながら、秋雨を見ると
胸の奥が熱くて…目頭も熱くなる。
…きっとお父さんも理解するわ…
お母さんの言葉が頭の中で繰り返された。
…大丈夫だ。私たちは大丈夫。
私はそう心に唱えて
秋雨の元へと向かった。