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せめて夢の中だけでも
第39章 一生俺のもの。
そう言われても…秋雨は
父が戻ってくるまでは席には座らなかった。
「秋雨君、座っていいのよ?」
姉の杏がそう言っても、彼は
いえ…と笑った。
戻ってきた父が戻って驚いている。
「…座って良かったのに。すまないね」
父が席に座るのを確認すると秋雨も座った。
「秋雨君がここに来た意味は解っているよ。
堅くならなくていい。まずは仲良くなろうじゃないか。」
そう言って、母が持ってきたビールを秋雨のグラスへと注ぐ。
「いえ…僕は…車の運転があるので…」
「ん?泊まっていくことは出来ないのかな?」
誰もが言葉を疑った。
まさか、父からそんな事を言うなんて。
姉の時でさえ、帰したじゃないか…。
「明日は…仕事はありませんが…
そんな初めてのお宅でそんな…」
父は目を細めた。
「君はうちの息子になるのだろう…?」
…お父さん?
「えっ…」
秋雨もさすがに驚いているようだ。
目がまん丸く見開いている。
あまり見たことのない表情だ。