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せめて夢の中だけでも
第40章 wedding…
「これ、着てみたら?」
そう言われて試着する。
全て着終わり…ゆっくりとカーテンを開けると
目の前には手を差し出した秋雨がいる。
「俺のたった一人のお姫様だよ。」
顔が熱い。
恥ずかしげもなく…色んな人がいる中で
こんな言葉を言えるのは秋雨だけ。
そして、そんな言葉を言っても…
サマになるのは秋雨だけ。
全ての試着が終わり…また、後日打ち合わせをするということで、今日は終わった。
帰り際、担当の女性から
「素敵なご主人ですね」と言われた。
…素敵すぎて私は心臓が持ちませんよ…
そう…彼が運転している横顔を見ながら思っていた。
「…疲れたでしょう?凛ちゃん。」
「ん?平気だよ?」
「そう?なら…ご飯食べて帰ろうか?」
「うん!」
秋雨は、忙しい人。
外食なんてほとんど出来ない。
こうやって…店を休ませてくれる仁さんにも感謝だと私は心の中で思った。