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せめて夢の中だけでも
第41章 another story。side秋雨

…案の定…


時計は5時だ。



静かに玄関の鍵を開ける。
扉を上げると、玄関のライトのみ付いていた。

廊下を抜け、リビングの電気をつける。
机には夜食にと、手作りのサンドイッチと手紙。


…夜食といってもいつも、もう朝ご飯だ。


可愛い字で『お疲れ様。ゆっくり休んでね』
そういつも書いてある。


「はぁ。」


漏れるのはため息ばかりだ。


寝室を覗くと…小さく丸まって寝ている凛ちゃん。
結婚してから、ベッドが2個になった。

遅く帰る俺と…朝が早い凛ちゃん。

どちらかが起こさないようにと…
凛ちゃんが増やした。


「一緒に寝たいのになぁ…」


一歩、一歩と凛ちゃんへと近付いた。
顔を覗けば、規則的な寝息を立てている。


「…可愛い」

サラッと髪を撫でると

「ん…」と艶めいた声を出した。



「…秋雨…おかえり」

眠そうに目を開けて微笑む凛ちゃん…


あぁ…全然足りない。
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