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せめて夢の中だけでも
第41章 another story。side秋雨

そっと顔を近付け、唇にキスをすると
凛ちゃんはフフッと笑い

「どうしたの?何かあった?」

そう聞いてきた。


どこか胸の奥底が締め付けられるような感覚になり。
堪らず、凛ちゃんの首筋に顔を埋めた。


「何かあったよ。」

そう言うと、そっと髪を撫でてくれる。


これじゃ…どっちが女かわからないじゃないか…


「…どうしたの?」


「…凛ちゃんが足りない…」


サラサラと髪を撫でていた手が止まった。
顔を覗き込むと、目をまん丸くして
顔を赤くしている。



「…それだけ?」

「それだけって…俺には深刻なんだけど?」

啄ばむような短いキスをすると
凛ちゃんはシーツで顔を隠してしまった。



「したい。」

「やだ」

「したい。」

「仕事。」

「…解った」


そう言ってベッドから離れようとする俺の腕を掴んだ。



「…一緒に寝るだけなら…」


「……拷問する気?」


そう笑いながらも俺は
凛ちゃんのベッドの中へと潜り込んだ。
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