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せめて夢の中だけでも
第41章 another story。side秋雨

店の扉を勢いよく開けると…
中はなぜか撮影用の器具で埋め尽くされていた。


「…仁さん、何コレ?」

「悪りぃな。普通に言っても来ないの解ってたからな。」


俺の目の前に二人の女性が立つ。
名刺を出され、それを受け取った。


「出版社の人…?」

「はい。以前、ここの特集をさせてもらった者です。
覚えてらっしゃいますか?」

「あぁ…嫌々撮ったから覚えてる。」


そう、あれはまだ凛ちゃんと出会う前…
雑誌の撮影でBARのイケメン店員とか言う特集だった。

それの1ページを飾った俺は…
それを見てきました!という客が
わんさか来たのを覚えている。


「以前から問い合わせが多くあって…
再度特集を組ませて欲しいんですが…?」

「お断りします。」


即答する俺に仁さんは目をパチクリさせた。

「秋雨さんのプロフィールを、知りたいと言う方が…」

「それを知って何のメリットがあるの?」

いつもになく冷たい口調に
仁さんは勘付いたのか一度、休憩を挟んだ。
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