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せめて夢の中だけでも
第41章 another story。side秋雨
「どうしたんだよ、秋?」
「俺、もう目立ちたくない。」
「おい、おい。稼ぎ頭だろ?」
「解ってるよ…これも仕事だって言いたいんでしょ?」
「そうだ。」
俺は席を立つと担当の人のところに向かった。
「この特集のメリットは?」
「えっ…秋雨さんほどの方なら、
女性客も多くなるでしょうし…モデルの仕事も
くるかもしれませんね。」
「ふぅーん。
…残念なんだけど…俺…
1人の女性に愛されていればいいから。
俺にメリットはないけど…仕事だ。やるよ。」
そう言い残すと俺は仕事着である服へと着替えた。
撮影が終わりとインタビューらしい…
誕生日、血液型、趣味…
こんな事誰が知りたいんだと思わずにはいられない。
「では好きなものはありますか?」
「……凛ちゃん」
そう笑いながら答えると、
周りは訳がわからないという顔をする。
仁さんだけ一人、焦っているのか
怒っているのか…変な顔だ。