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せめて夢の中だけでも
第41章 another story。side秋雨
「じゃぁ、また明日来るからね」
そう言って手の甲にキスをする俺を
凛ちゃんはいつもの笑顔で笑って送る。
病院の夜間入り口の前で…
隼人君の姿を見つけた。
「やぁ、もう今日は面会出来ないよ?」
「解ってるよ。面会じゃねぇよ、お前に用がある。」
「へぇ…珍しい」
隼人君の横を通り過ぎると、
後ろから彼もついて来た。
「凛が飯、食ってないの気付いてたかよ?」
「……悔しいけど…俺は何も解ってなかったよ。」
「お前が夜食食わねぇって心配してたぞ」
「……………」
「あいつの中はお前中心なんだ。
お前が食わねぇとあいつも食えねぇんだよ。」
…それで…俺がハンバーグ食べた時
あんなに嬉しそうにしてたんだね…
「お前…そんなんで凛を守れるのかよ?」
「…守ってるつもりだった。
隼人君は良いね、いつも一緒で…」
「おい、五十嵐…」
「大丈夫だよ…凛ちゃんのことは愛してる。
じゃ、ここで」
手を挙げて、足早に歩く俺に
隼人君はもう何も言わなくなった。