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せめて夢の中だけでも
第8章 叶うなら彼の側に
……しばらくして私は会社を出た。


まだ少し目は赤いけれど…
このままここにいても仕方がなかった。


いつものように職員用の出入り口から出た。
誰もいない出入り口を出ると
ドアの横に隼人が立っていた。



「隼人っ…」



「おかしいと思った。
あんなに急いで出て行ったくせに…
一階のロッカールームから出てくるんだからな。」


「…見てたの…?」


「あぁ。何があった?」


「…何もないよ…少し呼ばれたの」


…言えるわけない…
あなたの彼女に呼び出されたなんて…



ぐっと唇を噛むと
目の前の隼人は笑っていた。



「悪かったな…」



「隼人は関係なー…」





「麗華だろ。」



その名前を聞いて、もう何も言えなかった。


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