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せめて夢の中だけでも
第10章 真っ黒な空
今日は土曜日。
街中には休日を楽しむカップルや家族連れが
街を賑わせていた。
ふと足を止め…
あることを思い出した。
「隼人…連絡しなかった…」
…私、なんて最低な女なの…
こんな一瞬で三年間の恋の相手を忘れるなんて…
携帯電話を取り出し隼人へと電話をかける…
しかし二度ほどコールしたところで…やめた。
「土曜じゃない。きっと彼女といるわ…」
しかし、すぐに携帯電話が隼人からの着信を知らせた。
「隼人…?昨日はゴメンね。」
「あぁ。解ってたからいいよ。
楽しい夜だったんだろうな。」
「…意地悪ね。」
「お前、今一人?」
「うん…そうだけど?」
「暇?」
「えっ?暇だけど…」
「デートしようぜ」
はっ?
「ヤダよっ!彼女に見つかったら殺させる!」
「アホか。殺させねぇーよ。」
「…………わかったわよ」
居場所を伝えると30分ほどで隼人は迎えに来た。
三年間の恋をしてきて…
夜、飲みに行く以外で会うのは初めて…
こんな形で実現するなんて思ってもみなかった。