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やさしいキスをして?
第8章 キスの先?
『…いいんだ、それは。』
ゆうひはちょっと、落ち着いた声色で話し出した。
『今はまだ…あさひは忘れたままでいいんだよ。』
『え?忘れたって…あたしが?何を??』
『はは…いつか言うよ。』
真面目な声だったくせに、ゆうひは笑って誤魔化した。
『えぇ、何よそれ?気になるじゃないの!勿体ぶらないで教え────』
ピト。
『あさひ。いつかちゃんと話すから。おれ、今度こそ…フライングせずに、きちんと言いたいんだ。だから、その時が来るまで…待っててくれ。頼むよ。』
あたしの口元を人差し指で押さえて、ゆうひは言った。その声はなぜか真剣そのもので…あたしは何となく、それ以上は聞けなくなってしまった。