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やさしいキスをして?
第10章 番外編


『んもぉぉ〜〜!!味噌汁だったら、作れるのにぃぃいぃ!!!』


あさひが地団駄を踏む。料理の苦手なあさひだが、唯一、作れるのが味噌汁。これはおれも保証する。小1から作れるこの味噌汁だけは、誰のものより美味いってこと。……おれが一番、よく知っているんだ。


『そーだ、そーだ!あさひの味噌汁は世界一だぞ〜♡』

『もう、またそれ!卵焼きも作れるようになるから、大丈夫よ!とにかく、そんな手で包丁持たすのは怖すぎるから…卵焼きに選択肢を絞って、特訓するって決めたでしょ?』


おれ達とは、小学校からの付き合いのマドちゃん。あさひが作れる味噌汁のことは、マドちゃんの耳にもタコ話だ。

おれとしては、別にそのままでも構わないんだけど。これを機に、あさひが卵焼きも作れるようになるのなら…こんな嬉しいことはないだろ♡おれの頭ん中では、大人になったあさひが、おれに味噌汁と卵焼きを作ってくれる…そんな妄想が、さっきから延々と繰り広げられているのだ♪



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