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やさしいキスをして?
第10章 番外編
『うわ…こりゃ高嶺の花だな〜』
目鼻立ちのはっきりとした顔に、清楚かつ上品な佇まい。他の誰と写っていても、キョウちゃんが一番目を引く。これマジでモテたな相当…っ!ついでに、ガードも相当固そうだけどっ!!
『つーかキョウちゃん、もっと笑おーよ〜』
せっかくの美人さんなのに、お堅い表情ばっかだなぁ。もっとこう、キャピっときゅるっと楽しげなやつってないのかな…?
『あ、これ史郎さん?』
途中から、聡明な顔立ちの若い男が出てきた。史郎さんというのはキョウちゃんの旦那さんで、つまりあさひのじいちゃんだ。なんでも外資系会社のお偉いさんで、今はほとんど日本にいない。おれも数える程しか会ったことないけど…未だ現役の、頭キレッキレなじいちゃんだ。
『おーおー甘いね〜♡』
史郎さんと写ってるキョウちゃんの顔は、さっきまでと打って変わってめちゃくちゃ柔らかい。何だよ、ちゃんと乙女な顔もできるんじゃん!それにやっぱ、あさひはキョウちゃん似だ。おれの好きな笑顔に、すげぇよく似てる♡
『おや、こっちには天使が写っとるぞ。』
『ん?』
キョウちゃんは別のアルバムを開いて、こっちによこして来た。
『わー何コレ!おれ泣いてんじゃん!!』
それは、おれとあさひの、幼い頃の写真が詰まったアルバムだった。