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やさしいキスをして?
第11章 おまけ〈三島〉
『じゃあまずは…』
文化祭のしおり、なる小冊子に目を落とす彼女の隣で、僕は内なる炎を燃やしていた。
交際が始まって約三ヶ月…僕達には、これといった進展がない。告白した時、キスまで(しかも何度も)交わした仲だというのに…その後は一切、そういう機会に恵まれてこなかった。
『お腹空いたし、食べ物探しに行こっか?』
『そうですね。』
…というか、僕は最近まで騙されていた。
“恋人との進展には、相応の期間が必要”
“手を繋ぐのに一年。キスは三年。その先五年…それを守れないと男のクズだ”
などと、周囲から散々言われていたからだ。
「…は?クラスの男子から、そんなこと言われてたのか?そりゃーただのやっかみだよ!お前の恋愛ベタを逆手に取られたんだな。まぁ…学年のマドンナをゲットしたんだ、多少の妨害くらい仕方ねーだろ。」
岩本のおかげで、それが嘘だと判明した訳だが。僕的にこれは…かなり由々しき事態。