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やさしいキスをして?
第11章 おまけ〈三島〉
『居た!!三島くんっ!』
『───っ//?!』
またしても絶妙な邪魔が入り、まどかちゃんに触れること叶わず。二度も行き場をなくした僕の手が、ぶらり宙を舞った。とりあえず頭でも掻いてみて、振り返ると
『三島くん、手伝って!』
『え、川口さん…?』
揺れるポニーテール。凛とした顔立ちを少々乱しながら駆けてくるのは…普段、廊下など走らない真面目な女子生徒。彼女は僕と同じ…クラスの学級委員だ。
『どうしたんだ、そんなに走って…何かあった?』
『展示物!うちのクラスの展示物が、ハァ…大変で…!いいから来て!走りながら説明するからっ!』
息切れする彼女は、善は急げとばかりに僕の手を取って引っ張った。
『ちょっ…!』
『屋上から吊ってるロープが片方外れてるって…!早く補修に…!男子の力で締めてもらわなきゃ、また緩んで落下したら大変でしょう?!』
一旦引き止めはしたものの、焦る彼女の言葉に、事態の緊急性が理解できた。