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やさしいキスをして?
第11章 おまけ〈三島〉


『誰かの忘れ物かしら…?』

『ああ…それは、僕のだ。』


屋上扉の脇。壁に寄せて置いていた小包を拾い上げると、川口さんは眉根を寄せて近づいて来た。


『それ…ずいぶんと可愛らしいラッピングだけど。もしかして、さっきの彼女から?』

『え、まあ…うん、そうだよ//』


まどかちゃんから貰ったスイーツ。赤いリボンがついたそれを抱えると、無意識に口元が緩んでいた。


『……そんな顔も、するのね…』

『え?』

『……邪魔して悪かったわ!』


急に声を荒げた川口さんは、そのまま先に校舎へ入った。閉まりかけの扉を押しやって、キッと強い眼差しを向けたかと思うと


『…そう言えば。担任は今、合唱部のリハーサル中なの!この話は後で私から報告しておきますから!三島くんはどーぞ、彼女と文化祭楽しんで下さいねッ!』


バァンッ!と閉まる扉と、ガーッと階段を駆け下りる音。何か…よく分からないが、不機嫌か?それより僕も、急いで戻ろう…!



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