この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
やさしいキスをして?
第11章 おまけ〈三島〉
『あ、あれ?それって…?』
『ああ、これ?これはあさひ達の分よ』
腕を伸ばした先。そこには、僕の手にあるのと同じ、ラッピングされた小包が二つ握られていた。
『ちょうどこれから行くし、二人にも渡しとこうと思って。』
ああ…そうか。まどかちゃんの手作りスイーツを食べられる特権は、僕の他にも持っているのか。倉田さんと、それに…
『あの…ちなみにもう一方は、岩本の…?』
『そうよ?決まってるじゃない!』
一体いつから、それは決まっていたんだろう…僕は君と付き合って三ヶ月。岩本との差は…この先も埋まらないのだろうか。
『あの二人、きっと待ちくたびれてるわね。啓太くん、そろそろ行こ?』
『は、はい…』
いま岩本の顔なんか見たら…殴りたくなるかも知れないな、なんて。内心、結構本気で思いながら、その教室へと向かった。