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やさしいキスをして?
第11章 おまけ〈三島〉


『なんか最後、すごかったですね…』

『ほんと…でも、さっきのカップル良かったね。告白うまくいって…ああいうのって、こっちまで幸せな気分になっちゃうもんね//』


人混みを抜けて、三階の廊下。この階は展示教室が殆どで、人の通りも少ない。むしろ今は全然、人の気配がしない…


『今日から付き合うようになるんだね、あの子達…』


窓から入った光が、まどかちゃんを照らす。少し赤らんだ空の色が映って、俯く君の頬が紅く染まる。


『そう、ですね…』


外にも階下にも人は大勢いるのに。ここだけ静かな空間で、それがまるで特別みたいに思えてしまって。


『私、ちょっと思い出しちゃった…』


さっきの告白。
静かな場所に二人きり。


『うん…僕もです…』


自然と頭に浮かぶのは、あの日のこと。
三ヶ月前の…


『『保健室…』』


重なった声が、廊下に響いて。消えて。
目に映るのは、あの日みたいに僕を見上げる君の姿。



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