この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
やさしいキスをして?
第11章 おまけ〈三島〉
***
『もうこんな時間ね。』
『ああ…』
日も沈み、窓の外に外灯がともり出した頃。川口さんと僕は、ようやく担任から解放された。
『わざわざ呼び出さなくてもいいのにね。平塚先生…あたしが報告したら、急にワタワタし出しちゃって。』
『心配性だからな、あの先生は。僕も鍵のことはすっかり忘れていたし…まあ、仕方ないよ。』
先程僕が呼び出された理由は、例の屋上トラブルにある。川口さんが担任に事後報告を行った際、念のため先生自身も現場へ確認に行こうとしたらしい。…が、肝心の屋上の鍵を僕が返却し忘れていた為…こうなった。
『副鍵の使用は教頭先生の許可が要るんだけど、そこまで事を大きくしたくないからって…ホント、気の小さい先生よね!』
『ハハ…まあ、無事に点検もし終えたし、大事に至らなくて良かったよ。』
先生を混じえた屋上の点検も終わり、僕らはひとまず教室まで戻った。ロープやらハサミやら、用意していった道具を戻すために。