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第12章 おまけ〈マドカ〉

『そ、その…元気にしていましたか？』


不意にかかった声は、なんだか小さくて。


『…え？』

『あ、いや…！こうして会うのは暫くぶりなので。最近電話もあまりできてなかったし…今日までどうしていたかなって…』


あさっての方向を見て頭を掻いたり、俯いたり。目線の定まらない啓太くんは、まるで何かを迷っているみたい。どうしてたって…そんなの、早く会いたかったに決まってるよ？


『…うん、元気にしてたよ。啓太くんは…？』


寂しかった。毎日学校で会えるのが当たり前になっていたから。楽しみだった冬休みも、啓太くんがいなきゃ全然つまんなかったの。


『僕も…うん、変わりありません。』


ねぇ、啓太くんは寂しくならなかった？勉強が忙しくて、会いたいって思うこともなかったの？


『そっか…』

『はい…』


変なの。聞きたいこと、話したいことは山ほどあるはずなのに。いざ隣にいても、上手く言葉にできない。自分の気持ち…全然ちゃんと伝えられない。