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やさしいキスをして?
第13章 おまけ〈あさひ〉
家に上がると、ゆうひはエプロンをつけていた。ちゃっかり自分でおかゆを作って、どうやら食べ終えた所らしかった。
『何だ、ご飯食べれたのね?』
『ん、薬飲まなきゃだから…ケホッ』
せっかく材料買ってきたのに…まぁ、それだけ動ける元気があるなら、いいけど。
『病院、一人で行けたんだ?』
『ゴクンッ……ん、昼にな。』
『いま熱は?』
『ない。』
淡々と答えるゆうひは無愛想。いや、そりゃあね、病人が愛想をふりまく必要はないんだけども…
『今日、おばさんは…』
『夕方まで仕事。つーかおれ寝るわ。あさひ、テキトーに帰れよ。』
『あ…』
マスクを装着し、フラフラと階段を登って行くゆうひ。あたしは買ってきたペットボトルを握りしめ、背中を追った。