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やさしいキスをして?
第14章 おまけ〈マドカ②〉
バチッ!!ブチン!!
唇まで数ミリと迫った刹那…三島は弾かれるように飛び退き、部屋中の照明を消灯した。触れた瞬間、歯止めが効かない自身を悟っての行動だったが…心臓は今にも破裂寸前。風前の灯の如く残った自制心に感謝をするやら、恨めしいのやら…訳の分からない感情に囚われた。
(た…例えば!!二階の部屋まで彼女を抱えて行くとすると!……階段を登るのは危険な上、扉を開く手が一つ足りない!
ならば、背中におぶって……//////いやいやいやいや無理だ無理ッ!!だからといって、僕が勝手に彼女の部屋に入って寝る訳にも…!後はリビングだが…さすがに寒くて風邪を引きかねないし……!)
必死の…頭脳フル回転も虚しく
(つまり…つまり…逃げ場がないッッ!!)
唯一の救いは、ベッドがツイン様式だったことくらいで、一心不乱に壁側のベッドへ潜りこんだ。
ザアァ───────…
一晩中、耳を支配する川の流れは、しかし
『ん…』
時折チラつく吐息も、寝返る布団の音も…かき消すことには何ら効果がないということを
(ね…眠れないっ……!!)
身を以て思い知るのだった。