この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
やさしいキスをして?
第14章 おまけ〈マドカ②〉
ザァアアアァ──…ゴロゴロ…
『きゃー降ってきたぁ!!』
『走ろう!!荷物貸して!』
みんなと解散した帰り道。一人暮らしの私のアパートまで数十メートルの距離。危うかった雲行きが、ついに崩れてしまった。
『はぁはぁ…ギリギリ持たなかったね…』
『うわ…絞れる。だいぶ降られましたね…』
私の部屋の前。着ていたTシャツの裾を絞った啓太くんと顔を見合わせて、苦笑い。急いで中に入って、タオルと着替えを用意した。
『ちょっと大きめのシャツにはしたけど…啓太くん入るかな?』
『ああ…いや、着替えはいいよ。タオルだけで。服は昨日のやつでも…』
『え…バーベキューの時の?(笑)』
『し…仕方ないし(笑)』
それでもさすがに、焼肉くさくて。濡れた服を乾燥機にかけることで合意した。