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やさしいキスをして?
第14章 おまけ〈マドカ②〉
『…───ごめんっ!!』
ぐちゃぐちゃの視界も、止まらない鼻水も、
やっと振り向いた啓太くんの腕の中。
『ごめんッ!本当に…ごめん!』
なによ、今さら…
たくさん謝られても
きつく抱きしめてくれても
『うっ…ぐすっ…ゔぅ…』
『泣かないで…っ!』
そんな、
思い出すようにキスをされても
『悪いのは、全部僕なんです…』
これが最後と思うと、虚しいだけなのに……
『言い訳させて下さい。自分勝手な都合だと分かってますが…ちゃんと話を聞いて下さい。ただその前に、一つだけハッキリ言いたいことがあります…』
もうやだ…大好きな腕の中でフラれるなんて。啓太くんの匂いに包まれて、耳元で優しい声でなんて、やめて…
『僕は一生……』
やめて聞きたくない
でも振りほどけない…
振りほどけないの…