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やさしいキスをして?
第17章 おまけ〈あさひ②〉


『ほらクラタ、もう少しの辛抱だから頑張れよ?』


後輩の前に屈んだゆうひが、水を差し出して見上げる。


『はい…何から何まですみません…』

『違うね。こーいう時は“アリガトウ”。お礼を言うもんなんだって…なっ、あさひ!』


今度はあたしに向かって、笑う。
そんな、ゆうひの一部始終を追うように流れてきた視線が、あたしを捉えて…


『はい…お二人とも、ありがとうございます…』


傷ついたみたいに笑った。


『あ、そーいやこのコ、蔵田さんって言うんだよ。クラタって響きは一緒だけど字が違うんだ。冷蔵庫の蔵+田んぼの田。』

『もう先輩…冷蔵庫って言わないで下さいって、何度も言ってるじゃないですか//お蔵の蔵で通じますよ…』

『そーか?ってか、こいつも倉田なんだよ。倉庫の倉に田んぼの田。あれ…倉庫と冷蔵庫って、何か似てるな?あははは!』

『も、もう…//』


話してる二人を見てて分かった。たぶん…


『水飲んだら、少し横になっとけ。タクシー来たら起こしてやるから…無理するな。』

『……はい…』


たぶん、このコは好きなんだろうな…
ゆうひのことが…




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