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旦那様☆ロマンチスト
第10章 縺れた糸を解く旦那様
「昨日の電話も、あいつ後3日は地元にいるらしくて、夜、同級生の友達と飲みに行ったんだ。そしたら…」
『飲み過ぎて気持ち悪いのに、店の前で変な男に絡まれてる…。もう限界。助けてお兄ちゃん!』
「あいつ、父親いないんだ。ヤバいだろ?それ?とか思って…」
敏明の話を聞きながら、樹菜は思い出す。
そういえば、敏さんの従姉妹で、やたら敏さんに懐いていて、私のこと凄い目で睨みつけてた女の子…いたっけ。結婚式には制服で出席してくれてたんだった。
華奢な手足に色白な肌。日本人形みたいなストレートの黒髪の女の子。
…でも、来ないだの女性は茶色な髪色にフワフワパーマが肩で揺れていて。同一人物には思えなかった。
敏さんが本棚から結婚式のアルバムを持ち出して来て。この娘だよって指さした。
―― やっぱり。この娘。
自分の記憶とアルバムの女の子は一致したけれど、日曜日の記憶とは重ならなくて。
…だけど、はっきり思い出すのは、『この従姉妹は敏さんのことが凄く好きなこども』だったという記憶。