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旦那様☆ロマンチスト
第3章 疑惑の旦那様
一瞬、見間違いかと思ったその姿。
着ていた洋服からも、私の愛しい旦那様に間違いは無かった。
敏さんは、割りと無口で人見知りな性格で、初対面の人とは頑張らないと話せない方だ。
女性と話すのだってそんなに得意じゃ無いはずなのに。
そんな彼があんなに楽しそうに笑っているなんて―――それは、彼女に気持ちを許している、そうゆうことで。
隣を歩く小柄な可愛らしい雰囲気の女の子は、
敏さんの顔を始終見上げると、可愛らしく相槌を打ったりしながら女の表情をみせていた。
歩く度に、彼女のみどり色のスカートの裾が弾むように揺れ動く。
その度に親密な余韻が、風に乗り漂って来る気がする。
トシサンガ、オンナノコト、ワラッテイル―――。
最近はたまにしか私に見せない、そんな優しい笑い顔。
私でない女性に向けられたその笑顔が、心に痛く、私の顔から表情が消えた。