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旦那様☆ロマンチスト
第4章 灰色な旦那様
やっぱり、敏さんも若い女の子の方がイイのだろうか。
敏さんにとって、私はもう魅力が無いのだろうか。
敏さんが彼女に向けた慈しむような笑顔。
その笑顔を見た時に感じた哀しい気持ちが、赤い錆みたいに心に拡がった。
その嫌な色は心にこびりつき、重量を増し、
赤黒いモヤモヤにより心は不安で塗りつぶされていく。
まだ1時間しか過ぎていない。
それにも関わらず、今日は時間が過ぎるのが凄く遅く感じて。
結局、敏さんが帰宅したのは、それから更に3時間後のことで、夜10時を過ぎていた。
「みーな、ゴメン、遅くなった。」
帰宅後の敏さんは、
そのひとことで全てを終わらせると、
いつも通りの―――何もやましいことなんてありませんよ、的な爽やかな感じ。