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第4章 灰色な旦那様

結局、敏さんが帰ってこないと、晩御飯を一人で食べる気分にもならない。

だからこの気持ちを抱えたまま、敏さんが帰宅してから、一緒に遅めの晩御飯を食べた。

二人で食べたくてずっと待ってた私に、
敏さんからの言葉は。
軽い口調で「先食べてて良かったのに」だった。

何事も無かったように、簡単にそんな事を言うくせに、今日誰と何していたのか―――その一番知りたいことを私に話してくれる様子は無い。

それどころか、以前は「美味しいね」「味薄い？」そんな風に、料理に対する感想の言葉を掛けてくれたりしていた敏さんだったのに。

いつの頃からそんな言葉は無くなって。
それが当たり前だというように、用意した晩御飯を黙々と口に運ぶその口からは何も言葉は無い。