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旦那様☆ロマンチスト
第4章 灰色な旦那様
ご飯は毎日のことだ。
労いの言葉は嬉しいけれど、それに対してのお世辞を私だって望んでるって訳じゃない。
でも、今日は敏さんの好きなシチューなんだし。
随分遅く帰ってきたんだし。
――何か一言あったって良いと思うんですよね、敏さん。
黙々と食べ続ける姿を見ていると、そこに私が居てもいなくてもあまり構わないような気がして、なんだか透明人間になったみたいな気分になった。
一人で敏さんの帰りを待つ間、
今日の午後のこと。
あの女性のこと。
その真相を敏さんから聞くのだと、そう意気込んでいた筈なのに、
意気地の無い私はその話題を切り出すことが出来ないままに時間はあっという間に過ぎてしまう。
せっかく作ったシチューも、味なんか全然わからなかった。