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旦那様☆ロマンチスト
第4章 灰色な旦那様
「何?みーな?」
「ううん、何でもない。」
やっと話掛けてくれた敏さんの口から突いて出たのは、私が聞きたい言葉ではなくて、何気ない問い掛けだった。
本当は何でもなくはない。それどころが大有りなのに。
聞きたい事は一杯あるけれど、
聞くのは怖いし、私の方からそれを尋ねるのは―――何だか癪にさわる。
だって、いきなり「あの娘が好きだ。だから別れよう。」とか言われたら、きっと私は立ち直れない。
敏さんは格好良いし、
無口だけど優しくて、時折みせる笑顔の素敵さっていったら無いんだもの。