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旦那様☆ロマンチスト
第7章 妄想する奥様
でも。有るはずの場所に無いことに、さっき気付いてしまったんだ。それは、敏さんの気持ちがもう私から離れていることを意味していた。
あの笑顔を見てしまえば、私にまだ少しは気持ちはあるのかもしれない。でも――もう女性としては一番じゃない。
そんな敏さんと一緒のベッドで休むのは―――ひとりきりで、帰らない敏さんのことを待ち続けるのはあまりにも惨めすぎる。そう思った。
私は入浴を済ませると、今日も眠れないと判ってはいるけれど、敏さんを待たずに先に休むことにした。このまま敏さんが帰ってくるのを待って、話し合った方が良いのはわかっている。
でも…その先に待っている結末が形になるのを心が受け入れるには、今日は気持ちが疲れ過ぎていたから。