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旦那様☆ロマンチスト
第8章 覚悟を決めた奥様
* * *
掃除が済んだら、お風呂に入った。
しゃかりきになって掃除をしたせいで、私の躰は全身汗だくで。
特別な時に自分のご褒美に使っているちょっとお高いボディーソープを丁寧に泡立てると、躰をすみずみまで洗う。髪の毛も同様に。
最近髪の毛の手入れをおなざりにしていたせいか、トリートメントの効果は絶大で、洗い終えた髪の毛の通りは抜群に良くなった。
躰を清めた後は、自分の身支度をする。今日は・・・帰宅した敏さんとキチンと話し合うのだもの。
その重圧に、武装しなければ心が折れてしまいそうになってしまう。
緩いウエーブの掛かっている髪をハーフアップに結い上げた私は、敏さんから貰った漆塗りのバレッタで留めると、軽く香水を耳元につけ、ワンピースを身につけた。
無口な敏さんは、同時に照れ屋で、滅多に褒め言葉なんか口にしない。そんな敏さんが、似合うよ――そう言ってくれた思い出の青いワンピースは、私に自信をくれるような気がして。
幸いサイズは四年前とは変わってはいない。
すとんと降りたスカートの裾が、ふわりと風を孕んで揺れていた。