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恋のリサーチ
第2章 彼の目的
どうやら私はすっかり
聖夜のペースにハマってしまったようだ・・
「ほら、時間時間!」
聖夜の、声だけじゃなく手も私を促がす。
私の手の甲をポンポンと叩く。
少しひんやりとした彼の指先は、
ほっそりとして綺麗だった。
「あ、はい、では・・」
ガチャガチャと音をたてるカップアンドソーサーを
返却棚に置いてから、聖夜のほうを振り返る。
ちょこんと頭を下げる私に、
右手を高く上げてこたえてくれた。
そしてもう一度、ドアの前で振り返る。
まだ・・彼は私を見ていた。
店を出る時、
ドアの機械音はいつもと変わらないのに、
私の顔はいつもと違う。
満面の笑みを浮かべていた。