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恋のリサーチ
第3章 小さな恋の芽
別れた恋人は・・
今の職場の前に働いていた、やはりデパートの社員だった。
食品売り場の、乾物や贈答品、和洋菓子のコーナーの
責任者だった。
私がその売り場に派遣されてすぐ、食事に誘われた。
その時私は32歳、彼は30歳。
同い年かと思った、と初めてのデートの時に言われた。
そして付き合ってほしい、とも。
もう6年も独り身でいた私は、
あれこれ考えることなくOKした。
前の恋人とは考え過ぎが原因で別れてしまったので、
もう直感で、そして行き当たりばったりで
進んでみようと決めていたから。
交際は順調だった。
彼が移動になるまでは・・
付き合いだして2年。
そろそろ結婚か、と微妙な時期に、
彼が名古屋の支店に移動することになってしまったのだ。
もしも・・
ついてきてほしいと彼に言われたら
たぶんそうした。
でも彼は、遠距離でも頑張ろう、と
一人名古屋へと行ってしまった。
月に一度は会議に出るため
東京に戻ってきた。
その夜は贅沢をして、有名どころのホテルをとって
1ヶ月分の触れ合いを楽しんだ。
遠距離が生み出したあふれるほどの愛情を、
一晩にギュッと詰め込んだ。
次の1か月後までこの肌に
温もりをしっかりと覚えさせるかのように、
私たちは愛し合った。