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恋のリサーチ
第3章 小さな恋の芽
半年がたった頃初めて、
名古屋の彼の部屋に連れ帰ってくれた。
彼の東京出張に合わせて、次の日から
私が連休を取り、一緒に新幹線で名古屋へ向かう。
彼も次の日は休みをとって、昼間のデートを楽しんだ。
青空を見上げながら、
昼間特有のにぎやかさ、たとえば
子供たちのはしゃぐ声とかご婦人たちの笑い声とかを聞きながら、
ショーウィンドウに反射する日の光を手でさえぎりながら、
私たちは時間を過ごした。
彼の笑顔が明るく照らされるのを見たら、
わけもなく涙が浮かんだ。
それを見た彼は笑った。バカだなって。
また来ればいいだろうって、髪形が乱れるくらい
くしゃくしゃと頭を撫でまわしてくれた。
でも遠距離になって2年の間に
真昼のデートはたったの3回。
東京に来る回数も次第に減り、
互いの肌の温もりを忘れかけた頃にとりもどす、
くらいの頻度になってしまった。