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恋のリサーチ
第4章 はじめて・・
「お、時間やべーぞ!
もう15分になっちまったぞ!早く行けよ!」
「えっ!やーほんと、ヤバい!」
さすがに10分オーバーはパニくる。
慌てて椅子を引くとガタンと大きな音をたててしまった。
テーブルにもぶつかって、そこでもまたガチャン、と
食器を揺らした音をたてた。
「オレが片付けておくからいいよ、行けよ」
ここはありがたく、聖夜に甘えよう。
「すみません!お願いします!」
「おー!じゃあとりあえずまた明日な」
「はい、また明日!」
パタパタと靴音を響かせながら
店を飛び出した。
後ろを振り向く余裕などなかった。
でもきっと・・
聖夜は私の後姿を見送ってくれていたはずだ・・
青信号の点滅めがけて猛ダッシュしながら、
顔はくしゃくしゃに崩れた笑顔になっていた。