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恋のリサーチ
第5章 聖夜を・・

246を反対側に渡り、

流れる車の中から空車のタクシーを見つけると

サッと手をあげ車を止めた。


彼が先に乗り込み

次に私が遠慮がちに体を離して座る。


渋谷、円山町まで、と運転手に告げてから

シートの上の私の手を彼の手が包んだ。

恋人同士じゃないのに、ただするだけ・・なのに、

もうすでに彼の聖夜は始まっているのだ。

口がほころび過ぎて恥ずかしいくらい。

だから運転手さんにも聖夜にも見られないように

窓側に顔を向け、

目的地に着くのをドキドキしながら待った。






ラブホテルが立ち並ぶそのすぐそばでタクシーを降りた。

車が発車してから、

聖夜は私の背中にそっと手を当て歩き出した。


彼の手のひらが熱い。

背中から汗がじっとりと湧き出てくる感じが

恥ずかしかった。




数あるホテルの中で一番大きなホテルへと入っていく。

平日の夜と会って、まだ空いている部屋がわりとある。


好きな部屋選べ、と聖夜が耳元で囁いたので、

とっさに目に入った部屋を選んでしまったが、

よく見ると一番高い部屋だった。

なんだか申し訳ない・・



聖夜がフロントでキーをもらっている間、

私は壁際にへばりつくようにして

ひっそりと待っていた。

キーを受け取り振り返った聖夜が笑う。

なにそんな隅っこにいんだよ!と。


私の手をしっかりと握って引っ張っていってくれる。

エレベーターに乗り込むと、

彼の手は私の手のひらから肩へと動いていく。

抱き寄せられて、

自然と私も彼の胸に顔を寄せた。



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