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恋のリサーチ
第5章 聖夜を・・


ガチャっと鍵が奏でた音が、

心臓の奥にまで突き刺さってくる。

いざとなるとやっぱり足がすくむ。


ドアを開けすっと左手を部屋の中へ伸ばし、

どうぞ、と導かれた。


私が先に部屋に入る。

再び音をたてたドアの方を振り返ると、

聖夜がゆったりとした動きで私のほうにむかってくる。

黙って・・私を抱きしめる。


おでこに、頬に、彼のしっとりとした唇が吸い付く。

そして・・

唇に・・聖夜の唇が触れた・・


ストンと力が抜けてしまったのか、

膝がガクンとおれそうになったが、聖夜がしっかりと

抱きとめてくれた。

このまま・・ベッドに崩れ落ちたい・・



「さきに・・シャワー使いたいだろ?いいよ」



気が早いのは私のほうだ。

シャワーもそこそこに裸になって・・と

妄想ならいいが、初めての、それも相手が聖夜なのだから、

やっぱり体をきれいにしてから、にしたほうがいい。

汗の匂いとか、もろもろ・・恥ずかしいもの。



「じゃあ、遠慮なく・・」



この場ではヘンな返事、だと思ったら

案の定、聖夜は笑った。

こんなとこでもお堅いなぁ紺ちゃんは、と笑った。


笑われたおかげで少し気が楽になった。

笑顔を見せてから、バスルームの扉を閉めた。



ソープの香りがすごくいい匂い。

ほんのりとしたバラの香りが

私の緊張をほぐしていく。

きっと・・

最初で最後かも・・

だからうんと彼に愛してもらいたい・・

湯気の中に浮かぶ裸を見つめながら、

うんときれいになれ、きれいになれ・・と呪文を唱えた。


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