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アナザー☆ステップ
第22章 花梨、電話をかける
カウンター席の正面はガラス張りで、外の通りを眺められるようになっていた。

相変わらずの人混みだ。
サラリーマンもいれば学生もいるし、ギャル男やアゲハ系女子もいる。
最近はチャイニーズの団体さんも多い。
黄色くなり始めた街路樹の下、いろんな人種がぐっちゃぐちゃに違う方向に歩いている。

高めのスツールに座って足をぶらぶらさせていると、ガラスの向こうで真っ黒な人影が立ち止まった。

コンコン。

中指の関節でガラスを叩く音。

あの男だった。

相変わらず全身真っ黒の服。
ボサボサの髪に眼鏡をかけて、やっぱりオタクっぽい。

でもよく見ると姿勢が綺麗で、手足もすらっとしている。
ユニクロの服もかっこよく着こなせるような体型だ。
つくづく髪型と眼鏡がもったいない。
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