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アナザー☆ステップ
第22章 花梨、電話をかける
「で、付き合って欲しいとこってどこ?」

ちょっと膨れながら言うと、男は長い人差し指で通りの向こうを指した。

「服が見たい。おまえが着てるようなのが売ってるところ」

「なんだ。先に言ってよ」

パンクとゴスなら任せとけ。

「あと、あたし、おまえじゃないし。花梨だし。あんたの名前は?」

「……佐和紀」

「ふーん」

佐和紀、と、私は胸の中で小さく繰り返した。
やっと教えてもらえた名前。

歩き出した佐和紀の手に自分の手を滑りこませる。
すると佐和紀はふいっと離れていった。

「そーゆーの、ナシだから」

真正面からお断りされて、今度こそあたしはムッとした。
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