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顧みすれば~真の愛~
第14章 HEROES
私は諦めきれず数度地下倶楽部へ足を運んだが
もうあの女に会うことはなかった。


私を執着させたのは
抱いてみたいと思わせる体もさることながら

気になったのは彼女の表情だった。

彼女は、彼女の目は何も写していなかった。
自分がここにいることすら写そうとしない
何も受け入れない 目


私はその目に見覚えがあった。


それは母の目と同じだった。


幼い頃に何度も見たあの目。
自分を写してほしくて母の顔を覗き込むように見ていたが
母の目に私が写ることはなかった。


私は母と同じ目を持つ女が気になって仕方がなかった。
男を惑わせる体を持つ女は
誰も受け入れない目をしていた。


なぜか私は彼女を救いたいと
強く思うようになってしまった。
幼いときに救えなかった母と重ねてしまったのだろう。


どうしてももう一度彼女に会いたい。

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