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トラワレテ…
第6章 確信
ユリの勤める店、mon tresor(モン トレゾ-ル)の社長、
古西 龍夜は、三年前に大手の会社から惜しまれつつも独立し、今に至るのだが…


高身長に加え、いつもビシッとお洒落なスーツを着こなし、黒髪をソフトなオールバックに決め、誰もが振り向くほどのイケメンである。


…が、残念な事に…彼は生粋のゲイだ!


前の会社では隠して過ごしていたらしいが、独立と共にカミングアウトし、今はのびのびと人生を謳歌している…。


そんな社長から、仕事熱心なユリは、信頼され妹のように可愛いがられていた。



(パーティって…。緊張するなぁ…。)


何となく不安に思いながら、愛莉とランチへ向かうユリだった。


「先輩!社長のお供でパーティって本当ですか?
素敵な出逢いあるといいですねっ!いいなぁ…愛莉も行きたぁーい♬*゜」


「もぉ〜!社長の同伴者なんだから、仕事よ!」


「わかんないですよぉー!ほら!ちょっと見てくださいよ!これ!」


そう言って、愛莉は一冊の雑誌を出してきた。


ーー最近話題の実業家特集ーー


(ふぅ〜ん…。)


パラパラとページを捲ると、ふと目が留まった…。


(えっ…!?香月!?香月 馨…?
って…この顔…馨さん!?)


K & J corporation CEO



ユリの顔から血の気が引く。


(この会社って…近所にあるあの有名なイベント会社よね…?)


(馨さん…すごい人だったんだ…。)


今思えばあの豪華なタワーマンションも納得だ。


(アタシってば…こんな雲の上の人と……///)


馨との身分の違いを痛切し、凹むユリをよそに、雑誌をのぞき込む愛莉は、


「この人、超!格好いいですよねっ!しかも一代で会社あそこまでにするって…ステキっ!……って先輩!聞いてます?」


「………へ?あぁ…うん…。」


「先輩…?まさか、お知り合いですか?」


「う………ん。ちょっとね…。」


「きゃぁーーー!ユリ先輩ってばすごい!この人、超有名人じゃないですか?!高スペックすぎですぅ〜♬*゜結構な遊び人って噂ですけど?本当ですか?」


「そうなの?」


「えーー?知らないんですか?ま、これじゃ仕方が無いですよね?寄ってくる女なんて山ほどいるでしょーしね。」












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