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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ

五歳の頃、お転婆が高じて木登りをして、見事に木から落ちて大けがをしたこと。そのときの怪我が元で跡が残り、醜いアザのようになってしまったこと。
瑶子はしゅんとして言った。
「それほど大きくはないのですが、アザのようになってしまいました。この縁組みが持ち上がった時、私は父や母に言ったのです。たとえ小さくても身体にアザがあるような娘が畏れ多くも天下の将軍さまのおん許には上がれないと。父や母もそのことは幕府の方々に申し上げたらしいのですが」
瑶子はしゅんとして言った。
「それほど大きくはないのですが、アザのようになってしまいました。この縁組みが持ち上がった時、私は父や母に言ったのです。たとえ小さくても身体にアザがあるような娘が畏れ多くも天下の将軍さまのおん許には上がれないと。父や母もそのことは幕府の方々に申し上げたらしいのですが」

