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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ
「おはようございまする」
 両手をついて良人を迎えた瑶子に、頼経は昨夜と変わらず労りのこもった声音で応えた。
「おはよう。よく眠れたか?」
 その問いに、瑶子の居室の隣―控えの間の片隅にいた若い侍女二人が顔を見合わせ、クスリと意味深な笑いを洩らす。暗に初夜を過ごしていない瑶子のことを指して笑い合っているのだ。
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