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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ

「判ってるのよ。私が選ばれたのは、即刻、子が産める健康な身体の持ち主だったからなのよね。先の御台さまがご懐妊されながら、ご不幸なことになってしまわれたから―。今度は顔なんか二の次だったの。私なんか、子どもが生めるほど丈夫じゃなかったら、絶対に御台所にはなれないわ。でも、それって、何かいやなの。まるで、自分が子を産まされるために貰われてきた犬か猫みたいな気がする」
そこまで言って、ふいに雫が頬を濡らすのに気付いた。
そこまで言って、ふいに雫が頬を濡らすのに気付いた。

