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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第23章 雪の日の輿入れ
―正室にしろ側室にしろ、奥向きで御所さまをお待ちするのがお仕えする女たちの宿命なのです。
 菊乃の言葉が何故か心に残った。女とは何と儚い淋しい身の上だろう。我が身もまたここで頼経の訪れを日がな待つだけの生涯を送る、ただそれだけのために都からはるばる鎌倉まで嫁いできたのか。
 鏡の中の少女の顔が泣きそうに歪んでいる。その鏡越しの自分の顔を瑶子は虚しい想いで見つめた。
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