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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第24章 秘密
 惟章は熱にうかされたように呟き、瑶子の頬にそっと両手を添えた。
「よく顔を見せてくれ。み月もの間、よくぞ姫の顔を見ずに過ごせたものだと、我ながら自分を褒めてやりたいよ」
 顔を持ち上げられ、瑶子は少し恥ずかしげに眼を伏せた。間近で見つめる惟章の整った面が朱に染まる。
「何と美しくなったのだ、あなたは。逢わない間に、子どもから大人になった、そんな気がする」
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