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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第24章 秘密
「惟章、お願いだから」
 続きの言葉は熱い口づけに呑み込まれた。深く唇を結び合わせながら、惟章の手が瑶子の帯にかかる。深夜のことゆえ、袿(うちぎ)は脱いで、小袖だけだった。帯を解く音が夜陰に妖しく響いた。
 瑶子を抱くことしか頭にない惟章は、彼女が泣いているのさえ眼に入ってはいない。帯がすべて解かれた。性急に小袖と下の肌着の前が開かれ、夜目にも眩しい白い膚が現れた。
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