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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第24章 秘密
「と、まあ、こういうところです、鎌倉どの。頼経公が俺から瑶子を奪うずっと前から、こいつは俺の女だったんだ。良人を裏切って他の男と密会するような女房を庇うとは流石に武士の棟梁、男の鏡だな。だが、今夜を限りに瑶子は俺に返して頂く」
口調にどこか嘲るような響きがこもっている。惟章が素早く動き、瑶子の手首を掴んだのは咄嗟のことだった。糸を手繰り寄せられるように引っ張られ、瑶子は呆気なく惟章の腕の中に抱き込まれた。